宙組20周年オリジナル作品感想

≪和物のシヨーから≫

陰陽師の輪廻転生で、吉備真備になって登場した真風涼帆さん。
そういう人物設定に、やや新鮮な驚き。
専科の松本理事が美しく舞う姿を見て、このショーの世界に引き込まれて行く、と大事な背景の幕が、、パンと落ちて袖に消えるはずが、まさかの引っ掛かり、とにかく引っ張り、スタッフの姿がチラリと見えて、2日目だから、こんなこともあるかな。危うく大変なことになるところであった。

それはともあれ、単なるお祭り騒ぎではないストーリーのある展開、何役もこなし、とは言え、基本の軸になる人物は同じ。
衣装替えが戦争のようになっているのではないかと想像(*_*)いっそ、これを本格的なドラマミュージカルにして下さったら面白いのではないだろうか。。。
あっという間に終わって、隣の席の方、え?終わり?とビックリされていた。題材の面白さで言うと、終わりがあっけなく感じるかもしれない。
だって、ショーが先だから、まだ本ちゃんは後ですもの。

≪異人たちのルネサンス

真風さんの雰囲気が、若かりし頃のダヴィンチはこんな感じかなと思わせる。
ロレンツォも魅力的だ。
グイド卿、歌で見せ場あって、愛月さんの存在感が増した。
セリフの続く劇は、最近、音楽と歌で展開するエリザベートみたいな作品に慣れてしまっていると、中だるみしそう。まずいな、と思っていたら、
きたー!和希そらちゃん。真風さんを取囲む芸術家の仲間たち。歌い踊り、盛り上がるかと思いきや、そこまでの役目を負わされてなく、燃え尽きる期待感。うーん残念。

雪組ひかりふる路のように、それぞれの役に見せ場があり、アンサンブルの力も見せてくれる作品だと更に満足だったけど。
全般的には、静かに納得。

願望として、ロレンツォを主人公にした作品を作ってくださらないかしらと。
キキさんのロレンツォはそれだけインスピレーションのわく、ちょい悪でも、一本筋の通ったいい男でした。風と共に去りぬのバトラーの切ない思いのようなものがあると、いいな~そういう作品を見たい。